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採用面接後の候補者が「落ちた理由を知りたい」と言ってきたら?~Candidate Experience(CX)を追う~

採用面接後の候補者が「落ちた理由を知りたい」と言ってきたら?~Candidate Experience(CX)を追う~

これまでに採用側として、不合格通知した後に候補者から理由を問い合わせられた経験はないだろうか。

 

シンプルに縁がなかったですねと答えるか、あるいは詳細まで丁寧に情報公開をするべきか。

果たして、どう対処すればいいのかと正解の無い悩みを抱える採用企業は少なくない。

 

 

今回は、冒頭の質問に限らず、候補者のケアについて採用企業側に向けた提案をまとめた。

 

<よくある日本会社からの曖昧なお見送り連絡>

・選考通過者にのみ2週間以内に通知し、合否の理由詳細はお答えしかねます。(書類選考の結果の場合に多い)

・厳正なる選考の結果、今回はご縁がありませんでしたことを通知させていただきます。

 

<よくある面接後の候補者の反応>

・今後の為にも理由を教えていただけませんか?

・他社の選考の兼ね合いもあるので必ず結果を教えてください。

 

 

提案1:リクルーティングをブランディング手法の一つと捉え、採用市場にどう見られたいかを決める。

 

何十年も前から”採用広報”という言葉があった。

 

だが、かつてのそれらは主に新卒者に向けて青田買いをする大学OBOGから構成されるリクルーター活動など、新卒採用活動内で多用されてきた。

 

できるだけ多くの学生にリーチすることで、この機会に会社製品・サービスをも知ってもらえる。そして彼ら学生たちがこの採用企業に入社しない場合でも、近い将来消費者・取引先として付き合う可能性も大きく、とにかくいい印象を与えたいという仕組みだ。

 

ただし、ここ5年程前から中途採用の中でも候補者がどのように応募企業を見るかを “気にしなければいけない” 動きが出てきた。

 

大きな背景は転職市場における、企業の口コミサイトの活性化だ。

国内ではOpenworkや転職会議、国外で有名なのはGlassdoor(2018年にリクルートHDが買収済)などがある。

そこでは、実際に働いた人による評価コメントのみでなく、採用プロセスについての項目もあり多くの候補者が面接前に情報収集の手段の一つとしている。

 

こういった背景があるからこそ、リクルーティングをブランディング手段の一つと捉えどんなブランディングでいきたいのかを是非検討・見直ししていただきたい。

 

中には、手厳しい候補者からの書き込みも出てくるだろう。面接担当の態度が悪かった、威圧的だった等々イメージを覆したいのなら、直ぐに面接官トレーニングの実施などアクションを起こすべきだ。

 

 

 

提案2:Candidate Experienceを理解し、チーム内でアクションを標準化する

 

先の提案1に従い、どんなブランドイメージをもって採用活動に当たりたいかを決めたらば、次に必要なのはどのようにそのブランディングするか、チーム内で標準化するアクションを洗い出して欲しい。

 

そのためにはCandidate Experience(=候補者体験)の理解が必要だ。

 

Candidate Experienceとは、候補者が仕事を探すあるいは何らかのきっかけで求人を目にしたところからスタートし、その後実際に求人へ応募、選考を受ける、オファーを提示される、オファーを受諾する、入社するまでの経験全てを指す。

 

具体的にはそれら一つ一つの接点の中でどんな経験をし何を感じ、候補者の判断へどう影響するかを理解することだ。それを理解することで、戦略的にリクルーティングブランディングを実現できる。

 

採用プロセスを以下のように書き出したとして貴社ではこれまでどのように候補者と接してきただろうか。想像を掻き立てていただくためにそれぞれを下記の様に一例を紹介していくので、是非一緒に貴社であればどのようなアクションを標準すべきか考えを巡らせていただきたい。

 

 

<一般的な候補者が経験する採用プロセス>

求人の認知

応募

書類選考

面接

リファレンスチェック

(日本国内では実施されないことも多い)

オファー

入社準備

入社

 

 

[求人の認知]

求職者が最初に目にした求人情報は過不足ないだろうか。

面接の中で知りえた情報により、応募前と応募後のイメージが大きく変ることは珍しくない。つまりは十分な情報が公開されていないということなる。中には従業員規模数という情報でさえ非公開を貫く外資系企業もあり、企業によって情報公開にはハードルがあるかも知れない。

 

しかし、適切な情報開示量がないことや誤った形で行うと、この時点で既にCandidate Experienceの視点からはマイナススタートになりえていることを認識いただきたい。

 

[応募と書類選考]

例えば、応募した瞬間に「応募承りました」というメッセージ(自動でも全く構わないだろう)を受け取るかどうかによっても候補者の安心につながるだろう。

 

また、通常どのくらいの期間で書類選考結果が戻ってくるのか気にする候補者は少なくない。特に現在アクティブに転職活動している候補者には貴重な情報になるだろう。

 

[面接]

さて、書類選考を通過し面接に進んだ際にもその日程調整のスムーズさは会社の印象を決める。日程調整だけに1-2週間かかるような企業だと、どんなに意欲の高い候補者であっても選考状況あるいは企業カルチャー、ビジネスに対するスピード感になんらかの不信感を抱くようだ。

 

また、意外にもドレスコードについて気にする候補者・企業は多い。こういった項目に世間的な標準化された基準なんてものは存在せず、どちらかというと企業のカルチャーによる。フォーマルであればいいというわけでなく逆に、中途採用面接に黒い就活スーツで来る候補者に怪訝な顔をする面接官もいた。ドレスコード情報など、こういった細かい情報への配慮もお勧めしたい。

 

[リファレンスチェック]

さらに選考は進み、いざオファーを出すというタイミングでもし、リファレンスチェックが事前条件になるのであれば、応募時などあらかじめ早い段階で説明しておくことをお勧めする。

リファレンスチェックは原則本人の同意のもと実施される就業履歴に関する情報取得だ。日本国内では省略されることが多く、そんなもの実施したことがないという企業もあることから経験のない候補者も多い。あらかじめ、説明しておくことでリファレンス先の取得や心構えの点で準備ができる。

 

[オファー]

どのように誰がいつオファーを通知するかは時にそのオファー受諾の可能性を大きく変える。

企業側、候補者側の状況によって柔軟に対応するべきではあるが、気を付けるべきは、この時点で候補者がいくつものジョブオファーを持っていた場合に候補者がどのように貴社からのオファーを見るかだ。

演出だけでなく、比較検討するに足りる情報をシェアできているかどうかが重要である。オファーレターに書かれている以上の情報を候補者はこの時点で必要としていることを理解していただきたい。

 

[入社準備と入社]

オファーレターにサインし、入社日も確定した。

しかし、残念なことながら、入社日直前になって内定辞退に至ることも全く珍しくない。入社までの期間が長い場合は尚更だ。

それを防ぐ、あるいはより早い段階でその状況に気づくにはこまめなコミュニケーションを取るなどの工夫が必要だろう。

 

 

まとめ

 

これらの提案を受け貴社では今後どのように対応するだろうか。

 

有効求人倍率を始め、採用したい会社の求人数と求職者の数や景況感によって大きく変動するものだが、企業側が今後継続的な成長優秀な人材の確保を目標としているのであれば、採用自体が簡単なタスクになる事はありえないだろう。

 

提案1では自社の方向性を決め、提案2ではその方向性に沿って全てのプロセスでアクションを標準化することの大切さを説明した。

 

あとはそれを提案2にあるようにプロセス毎にアクションへ落とし込んでいくだけである。自社を客観的に見つめる見つめ分析する事は容易では無いかもしれない。弊社ではそんな企業に対しアドバイスも行っている。ぜひお気軽にお問い合わせいただきたい。